2021年01月01日

『国防』政策方針

維新政党・新風本部政策委員会
平成九年二月

〈戦後国防政策の現状〉

 戦後の我が国は、占領政策によつて強圧的に制定された現行憲法下、独立国家としての自主的国防体制は否定され、軍事を政策することを忌避する国家社会の基本姿勢が常識とされてきた。そして、我が国の安全保障は、米国によつて庇護保証されることを当然とするか、平和を念仏の如く唱へれば自動的に平和な国際環境がもたらされるとするか、いづれにせよ他者依存の甘えの精神構造が今日に至るまで牢固として国民精神を呪縛し続けてきた。米国の恣意によつて発足させられた自衛隊をめぐる合憲・違憲の不毛の論議は、現行憲法を肯定的前提としてをり、国防についての国家としての基本を無視したまま日米安保条約の是非論に終始する今日の現況を結果してゐる。

 先年、ソ連邦の崩壊によつて東西対立といふ国際政治構造の大枠が消滅し、新たな国際秩序を求めて内外環境は流動してゐる。亦、我が国の竹島や尖閣諸島をめぐり、韓国・中国・台湾が由なき領土主張を行ひ、北方領土と共にそれらが重要な政治課題として浮上してきた。今日、我が国が、戦後体制を克服して名誉ある独立を冀求するならば、憲法問題をも含めた新しい国防のあり方が求められてゐる。

〈国防の基本理念〉

 軍とは武力を保持する国家唯一の組織であり、それ故に国軍の存立目的は国家・国民にあつては常に明確にされてゐなければならない。国軍は国家機構の一部を成すものであつても、その目的は時代の変遷によつて変化する政府=政体を護るものではなく、我が民族の歴史・伝統によつて形づくられた国のあり方=国体を護るものである。それによつて国家の独立、国民の安全、領土の保全などの目的が生まれる。

〈統帥権と指揮権〉

 我が国の国体を体現されるのが元首たる天皇であり、吾等が制定する新憲法においては統帥権は天皇に帰属する。天皇は国家意志の源泉であり、それは国軍の精神的統合の源でもあり、栄誉の授与者である。国軍の指揮権は天皇より内閣に委任され、内閣総理大臣が行使する。指揮権の行使は国家意志の発動であり、その原則は政治優位(シビリアンコントロール)である。従つて、指揮権を掌握する内閣総理大臣は、国家意志の発動によつて引き起こされる全ての事柄について責任を負ふ。

〈法制上の位置付け〉

 憲法改正時において、自衛隊を改組して国軍を創設し、憲法に国軍の存立と目的を明記し、国家からは名誉を、社会からは尊敬を受ける地位に置く。そして、一般刑法とは異なる軍法を制定して軍法会議を設置し、新たに戒厳令・有事法・防諜法なども制定し、国防の円滑な遂行ができるやう、法体系の整備によつて社会制度の改善を進める。

 兵役は国民の権利であり義務であり、国民皆兵が原則であるが、志願制をも含めて法律の定めるところにより国民は兵役を負ふ。又、国民はその青年期に選択的に国防に関する任務につく制度を設ける。

〈国家機構上の位置付け〉

 国家の基本要件としての安全保障政策を遂行する上で、現在の防衛庁の如く内閣の外局としての国家機構上の位置づけでは、国家の支柱としての責任は全うできない。従つて、庁から省に昇格させ、名称の変更、目的に沿ふ組織改編、権限の付与を行ふ。そして有事に際して、海上保安庁・警察庁・消防庁などの行政機関の組み入れ、補助活動が可能となる施行細則を決定して連携体制を緊密にし、平時においても危機管理の一助とする。

 また、これまでの文官優位を正して文官武官の対等化を促進し、統幕議長他を認証官として叙勲や待遇を改善し、殉職・戦死に対する国家補償制度を設ける。

〈安全保障上の施策〉

 新憲法制定後は、現在の「国防の基本方針」「防衛大綱」を根本的に見直し、従来の専守防衛型の防衛政策から能動的国防政策への転換を図り、集団安全保障(日米安保条約他)を前提として国連PKO・PKF活動への参加を行ふ。

 現在の日米安保条約のあり方は様々な問題を孕んでゐる。新憲法制定後は、先づ日米安保条約の完全な双務化によつて在日米軍基地を縮小し、我が国の独自防衛を主に、米国の援助を従としなければならない。又、我が国の安全保障のあり方を考へる場合、日米二国間のみの軍事協定では不備であり、特にアジア地域における安全保障体制を模索することによつて戦争や紛争が起こりにくいシステムを築くことが必要である。

〈軍事上の施策〉

 新憲法制定後は、新国軍として、新安保政策に沿ふ統幕の権限強化、三軍の再編・装備の充実を行ひ、領土・領海・領空侵犯に対し、断固とした対応ができるやう国防行動規定を明確にする。そして、駐在武官等の派遣及び独自の通信衛星を含む情報・通信体制を強化し、食料・燃料・弾薬備蓄の増大、運輸・生産などの後方支援体制の充実、予備役制度・民間防衛制度の強化を図る。又、各種学校の充実と再編を図り、階級呼称等を復旧する。

 軍事技術の開発は国際関係を睨みつつも、全ての分野で可能な限りフリーハンドを得るべきであり、核兵器についても廃絶を目的としつつも、我が国の独立自尊のために保有の権利まで放棄しない。

〈教育上の施策〉

 新憲法制定後は、義務教育では自分の国は自分で守るといふ国防教育及び団体訓練、高等教育では平和を守るための安全保障講座の開設を進め、社会教育としての国防思想の普及のために一般国民に広く安保・軍事を学ぶ場を設ける。

〈当面の国防政策改善策〉

 憲法改正が当面見込めない現状の中で、維新政党・新風としては既成政党の国防政策が完全に行き詰まることを問題提起すると共に国防思想の普及に努め、憲法改正の機運が盛り上げることを当面の国防政策活動とする。
posted by 新風本部 at 04:00| 基本政策方針 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする